【歯科初導入かも?】生成AI検索始めました。~歯の悩み、自然文で聞いてください~
- ihanaosaka
- 9月2日
- 読了時間: 11分
更新日:9月3日

「セラミック、メタルボンド、ジルコニア…って何が違うの?」
歯科の世界は、どうしても専門用語が多くなりがちです。
そのため、患者さんが調べる際には一度“専門用語を仕入れて”から検索してくださっていました。
でも本来、「そのままの言葉で聞いていい」はず。
「奥歯の銀歯が取れたらどうすればいい?」
「セラミックって何年もつの?」
そんな自然な疑問に対して、AIが記事の中から意味を理解して選ぶ──
そんな検索体験を、歯科医院のホームページに実装してみました。
これは私たちの小さな試みですが、検索データから「本当に知りたいこと」を見つけ、記事そのものをよりわかりやすくアップデートしていきます。
更に将来的には、記事をまとめて、ユーザーに直接答える検索欄にすることも視野に入れています。
初期精度はまだまだですが、「育つ検索欄」として、一歩踏み出しました。
1.専門用語に頼らない検索体験を目指して
歯科サイトは検索しづらい──という“無意識のハードル”
「セラミックとジルコニアって、何が違うんですか?」 「歯の神経を抜いたら、どうなるんですか?」
実はこれら、私たちの元によく届くご質問です。 しかし不思議なことに、ホームページ内の検索欄でこうした言葉が直接入力されるケースは多くありません。
代わりに見かけるのは、「メタルボンド」「補綴処置」「生活歯」など、 歯科医療の専門用語です。 一般的にはあまり聞きなれないこれらの言葉が、なぜ検索欄に入力されるのか── それは、“検索するために、まず専門用語を学習している”からです。
つまり、患者さんは本来持っている疑問をそのまま投げかけるのではなく、「検索にヒットしやすくするための言い回し」をわざわざ調べ、使ってくださっていたわけです。
これは、ある意味で“ユーザー側が歩み寄ってくれていた”状態です。でも本来、それは逆であるべきなのかもしれません。 検索というのは、「わからないから調べる」ための行為であるはずです。 けれど、医療のように専門性が高い領域では、「わからないと検索すらできない」という構造になってしまいがちです。
これは、本人すら自覚していない“無意識のハードル”です。 しかしながら、ユーザー・患者さんの立場になって考えてみると、
歯科に関心を持って検索をしてくださる方の多くは、「専門用語を使って調べたい」のではなく、“自分の言葉で安心して疑問を解決したい”のだと思います。
だからこそ、「自然な言葉でそのまま聞いても、答えが返ってくる」そんな検索体験が理想だと、私たちは考えました。
自然文で“話しかけるように”調べられたら?
「すきっ歯って治るのかな?」 「子どもが矯正するとしたら、何歳くらいから始めたらいいんだろう…?」 「口臭って、どうやって改善できるんだろう?」
当院のホームページでは、想定されている質問が現状で60本を超えています。 その中から、自分の悩みがどの記事に該当するのかを探すのは大変です。
これまでの検索機能では、「矯正」「口臭対策」「セラミック治療」といった“キーワード”で探す方法が中心でした。でも実際には、患者さんの多くはもっと自然な言葉で悩みを抱えています。
たとえば、検索欄にこんなふうに入力できたらどうでしょう?
「結婚式までに歯を白くしたいけど、どんな方法がある?」
「歯ぎしりがひどいって言われたけど、治せるの?」
「目立たない矯正ってある?できれば人に気づかれたくない…」
「痛くない治療って本当にできるの?」
「アロマとか音楽でリラックスできるような環境ありますか?」
こうした“そのままの言葉”で検索しても、AIが意味を理解して、関連する記事を案内してくれる。それが今回導入した生成AI検索です。
私たちは、「もっと気軽に疑問をぶつけてほしい」と考えています。
専門用語をわざわざ調べなくても、ご自身の言葉で、気になっていること・不安なことをそのまま書いてもらえれば大丈夫です。検索欄は、まるで医院に話しかけているような感覚で使ってもらえたらと思っています。
今後は、この検索履歴をもとに、どんな疑問が多いのか、何が伝わっていないのかを可視化しながら、記事そのものもアップデートしていく予定です。
2.生成AI検索とは?
どんな仕組み?
では、「自然な言葉で検索できる」って、どういう仕組みなのでしょうか? 実はそのカギを握っているのが、生成AI(Generative AI)です。
従来の検索は、入力された“単語”がページに含まれているかどうかをチェックして、結果を返す仕組みでした。たとえば「セラミック 費用」と検索すれば、「セラミック」と「費用」という文字列が書かれているページが引っかかる。それが基本的なルールです。
しかし生成AI検索は、もっと“意味”を理解するところからスタートします。
たとえば、以下の2つの質問を同じ意味として認識できるのが、生成AIの特徴です:
「銀歯を白くしたい」
「目立たない詰め物ってありますか?」
一見、使っている言葉はまったく違いますが、AIはその人がどんな情報を求めているのか=意図を読み取って、「セラミック治療」の記事など、関連性の高いコンテンツを判断して表示します。
もう少し簡単に言えば、生成AI検索は「文字を探す」のではなく、“意味を考えてから答える”検索エンジンです。
しかも、ユーザーが投げかけた質問に対して、ただリンクを並べるのではなく、該当する記事から要点を抜き出して“答えとして返す”ことも可能です。 (技術的に可能ですが、現在は実装していません)
そのため、質問があいまいだったり、表現が不正確だったりしても、人間と話すようにやりとりが成立するのが特徴です。
私たちが導入した生成AI検索も、この仕組みを活用して、院内の情報(記事やFAQ)を理解し、患者さんの“言葉にならない不安”に寄り添える検索体験を目指しています。
3.なぜ歯科医院で導入?
医療 × AI検索の意義
医療の分野では、専門性が高く、言葉が難しいという特性があります。 とくに歯科は、聞き慣れない用語や治療名が多く、患者さんが正確に理解するのが難しい場面が少なくありません。
実際、「セラミック」「マウスピース矯正」「インプラント」といった言葉は知っていても、「それが自分に合っているのか」「医院ではどんな方針で行っているのか」までは、検索ではなかなかたどり着けません。
だからこそ、患者さんの言葉のままで検索できて、意味を理解して返してくれる生成AI検索には、医療の現場においても大きな価値があると考えています。
また、信頼できる医療情報を正しく届けるためにも、AIが「公式サイト内の情報だけを対象にして答える」ように設計している点は、いわゆる一般的なネット検索よりも、正確で安心感のある情報提供ができる利点のひとつです。
歯科記事だからこそ必要だった理由
当院では、患者さんの疑問に寄り添うかたちで、予防・治療・審美・矯正などに関する多数のQandAを用意しています。
内容もできる限り専門用語を使わず、わかりやすく丁寧に書いているつもりです。
しかし、
「どの記事に何が書いてあるのか、見つけづらい」
「自分の悩みがどこに当てはまるのか分からない」
という声が予想されました。
実際、患者さんが抱える悩みはとても具体的で個別的です。
たとえば:
「結婚式までに歯を白くしたい」
「子どもの仕上げ磨きって、いつまで必要?」
「銀歯を白くしたいけど、保険でできるの?」
「顎が痛いけど、これって歯医者で診てもらえるの?」
このような“一人ひとりの言葉で綴られた疑問”に、記事のどこが答えているのかを探し当てるのは、患者さんにとっては大きなハードルです。
だからこそ、「患者さんの言葉で話しかけられる検索体験」を実現する必要がありました。
自然な疑問をそのまま入力できる
院内の記事の中から、意味を理解して答えを探してくれる
結果的に、医院の姿勢・考え方・診療内容への理解が深まる
これは、記事数が増えてきた当院にとって、そして“医院の考え方を理解してから来院したい”という患者さんにとって、どちらにとっても有益なステップだと考えています。
4."育つ"ってどういう意味?~データ活用~
よくある疑問の可視化
生成AI検索を導入すると、「患者さんがどんな言葉で疑問を抱いているか」という検索ログが残ります。
これは、従来のアンケートや問診票では見えにくかった、“生の声”のデータベースです。
たとえば、実際に入力されるのは──
「結婚式までに歯を白くしたい」
「歯ぎしりって治せるの?」
「子どもの仕上げ磨きって、いつまで必要?」
「口臭ってどうしたら根本的に改善できる?」
こうした具体的で率直な疑問は、これまで検索されること自体が把握しづらいものでした。
生成AI検索を通じて、よく調べられているテーマ・関心の高い悩みを可視化できるようになれば、医院として「患者さんが本当に知りたいこと」をより正確に理解できるようになります。
記事アップデートの起点へ
検索データから得られるインサイトは、記事を改善・追加していくための出発点になります。
たとえば、
既存の記事で触れているが十分に説明できていないテーマ
患者さんが別の言葉で表現しているために届きづらかった内容
これまで記事化していなかった新しい関心ごと
これらを検索ログから把握し、記事を見直すことで、「検索しても答えが見つからない」体験を減らすことができます。
つまり、検索機能はゴールではなく、改善サイクルの起点。
患者さんの疑問を集め → 分析し → 記事をアップデートする、その繰り返しによって、サイト全体が“育っていく”仕組みになるのです。
5.“育つ検索欄”としての今後の展望
継続的な精度向上の取り組み
生成AI検索は、導入して終わりではありません。むしろスタート地点に立ったばかりで、これから検索の精度を育てていくプロセスが始まります。
初期段階では、検索結果が完全に的確でないこともあります。しかし、患者さんが入力してくださった言葉や、その結果の使われ方を振り返ることで、「どんな質問に強いか」「どの表現に弱いか」が見えてきます。
そのデータをもとに記事を改訂したり、FAQを充実させたりすることで、検索結果が少しずつ正確になり、患者さんの言葉と医院の記事が自然に結びつくようになります。
つまり、この検索欄は一度作って終わるものではなく、患者さんと一緒に成長していく“対話の窓口”になるのです。
将来的なFAQ生成や会話型ナビゲーションの可能性
さらに将来を見据えると、検索欄は単に「記事を探す場所」から、“会話しながら医院を知っていくナビゲーター”のような存在に進化していく可能性があります。
たとえば、
よくある検索が自動的に整理され、FAQページが自動生成される
ユーザーが質問すると、AIが「こちらの内容も参考になります」と追加提案してくれる
治療の流れや料金の目安を、会話形式で順番に案内してくれる
こうした仕組みが実現すれば、患者さんは医院の考えやサービスを、より直感的かつ安心感を持って理解できる体験を得られるはずです。
生成AI検索の導入は、単なる便利機能の追加ではなく、「患者さんと医院をつなぐコミュニケーションの形そのものを進化させる試み」です。
この検索欄を“育てていく”ことで、今後ますます患者さんの声に寄り添えるサイトにしていきたいと考えています。
6.歯科✕生成AIで、もっと聞きやすい未来へ
まとめ
歯科医院のホームページに生成AI検索を導入したのは、「専門用語を知らないと調べられない」という無意識のハードルをなくし、患者さんの“そのままの言葉”に寄り添いたいからでした。
これまでの検索は、キーワードを知らなければ答えにたどり着けない仕組みでした。しかし生成AI検索なら、「結婚式までに歯を白くしたい」「子どもの仕上げ磨きって、いつまで必要?」「痛くない治療ってできるの?」といった自然な疑問にも、意味を理解して記事を案内できます。
さらに、検索データからよくある疑問を把握し、記事を改善する起点にもできます。検索欄は「便利な機能」ではなく、医院と患者さんをつなぐ新しい対話の入口になっていくのです。
そして将来的には、FAQの自動生成や会話型ナビゲーションへと進化し、もっと気軽に、もっと安心して医院の情報にアクセスできる未来を描いています。
生成AI検索はまだ発展途上ですが、患者さんと一緒に育てていける仕組みだと私たちは考えています。
歯科×生成AIで、「気になることを、気軽に聞ける」──そんな未来の検索体験を、これからも実現していきます。


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