むし歯治療

私たちは、あなたの歯の
「削る・削らない」の境界線に
妥協しません

【結論】私たちは、あなたの歯の「削る・削らない」の境界線に妥協しません

「むし歯が見つかったら、すぐに削って詰める」。ひと昔前まではそれが当たり前でしたが、今は違います。

Ihana歯科北浜では、むし歯=即切削という旧来の常識を見直しています。歯は一度削ってしまうと、二度と元には戻りません。だからこそ私たちは、歯を長持ちさせるための国際的な基準に基づき、「本当に今、削るべきなのか?」を慎重に見極めることをお約束します。

むし歯の原因・メカニズム

むし歯の原因・メカニズム

「むし歯はむし歯でしょ?」と多くの方は思われるかもしれません。しかし、科学の進歩に従い、「むし歯とは何か?」は大きく変化しています。ですので、ここで一度、「むし歯とは何か?」を説明致します。

世界保健機関(WHO)や世界歯科連盟(FDI)といった国際機関の定義では、むし歯は単なる「お口の中だけの感染症」ではなく、全身の健康や生活習慣と深く関わる「予防可能な生活習慣病(非感染性疾患:NCDs)」として位置づけられています。

お口の中では、歯の成分が溶け出す「脱灰(だっかい)」と、唾液の力で元に戻る「再石灰化(さいせっかいか)」が常にシーソーのように繰り返されています。

むし歯とは、ある日突然穴があくのではなく、このバランスが崩れて「歯が溶ける方向」へ傾き続けてしまう連続的な変化のことです。裏を返せば、「削るしかない状態」になる前に生活習慣のバランスを整えれば、進行をストップさせることができる病気なのです。

つまり、「むし歯とは、バイオフィルムと糖の摂取により進行し得る脱灰・再石灰化の連続体」と考えられます。

旧来の「むし歯は、むし歯菌が歯を溶かす病気」とは異なり、分かりにくいとは思います。ただ、この新しい考え方でないと、削らなくても良い歯を削ることになってしまいます。

むし歯ができる主な原因

世界保健機関(WHO)は、むし歯を引き起こす最も一般的なリスク因子は「お砂糖(遊離糖)」の摂取であると明確に述べています。

現在の国際的な基準では、むし歯は「歯の表面の細菌(バイオフィルム)がお砂糖を取り込んで酸を出し、歯を溶かしていく連続的な変化」として定義されています。

つまり、細菌というより、そのエサとなる「お砂糖」こそが進行のスイッチを入れる最大の原因なのです。

知っておきたい「遊離糖(ゆうりとう)」のこと

WHOが注意を呼びかけている「遊離糖」とは、お菓子やジュース、お料理などに「後から加えられたお砂糖」や、ハチミツ、シロップ、果汁などに含まれる糖分のことを指します。

WHOは、この遊離糖の摂取を1日の総エネルギーの10%未満に抑えることを強く推奨しており、可能であれば5%未満にすることが望ましいとしています。

さらにWHOは、この遊離糖のとりすぎを、むし歯だけでなく全身の様々な生活習慣病(NCDs)を引き起こす「共通のリスク因子」として位置づけています。

だからこそIhana歯科北浜では、「歯に穴があいたから削る」という対症療法で終わらせません。

まずはお砂糖(遊離糖)のとり方を一緒に見直すことや、進行を食い止めるための予防的アプローチを何よりも大切にしています。根本的な原因をコントロールしてこそ、歯を削る不安から解放されると信じているからです。

むし歯は「穴」ではなく
「グラデーション」

むし歯は「穴」ではなく「グラデーション」

日本の健診などでよく耳にする「C1、C2」といった進行度分類は、わかりやすい反面、「むし歯=削って治すもの」という考えに傾きがちでした。

しかし、現在の国際的な考え方では、むし歯はいきなり穴があくのではなく、健康な歯から徐々にミネラルが溶け出していく「グラデーション(連続した変化)」として捉えます。

つまり、目で見える「穴」があく前の初期段階(歯の表面が少し白く濁るなど)であれば、削らずに「再石灰化(歯が自ら修復する力)」を促して治すことが可能なのです。

「削らない」を科学する:
Ihana歯科の3つの判断基準

「削らない」を科学する:Ihana歯科の3つの判断基準

「削らない」と決めるためには、精密な診断という裏付けが必要です。当院では以下の3つの基準で、あなたの大切な歯を守ります。

  1. 病変のステージを精密に特定(ICDAS基準) 歯を乾燥させたり、適切な照明下で視診を行ったりすることで、穴があく前のわずかなサイン(初期の視覚変化)を見逃しません。初期病変であれば、フッ化物の塗布や経過観察など、削らない治療を第一の選択肢とします。
  2. そのむし歯は「動いている」か(活動性評価) 実は、同じように見えるむし歯でも、現在進行形で悪化しているもの(活動性)と、進行がストップしているもの(不活動性)があります。見た目が少し黒っぽくても、進行が止まっていて清掃状態が良ければ、すぐに削る必要はありません。
  3. あなたの「リスク」を評価(CRA:う蝕リスク評価) むし歯の原因は人それぞれです。過去のむし歯の経験、食習慣(お砂糖をとる頻度)、唾液の量、セルフケアの状況などを総合的に評価します。リスクを知ることで、削らずに守り抜くための「あなただけの予防プラン」を立てることができます。

むし歯を「0〜6」の7段階で見極める国際基準(ICDAS)

これまで日本の歯科医院では、むし歯をC1〜C4の4段階で診断するのが一般的でした。しかし、この分類は「すでに穴があいていること」を前提としがちで、初期のむし歯もすぐに「削って詰める」治療へつながりやすいという課題がありました。

そこでIhana歯科北浜では、世界的に採用が進んでいる「ICDAS(アイシーダス)」という非常に精密な診断基準を導入しています。

ICDASでは、むし歯をいきなり穴があくものとは考えず、健康な状態(コード0)から重度の穴(コード6)までの「連続した変化(グラデーション)」として7段階で評価します。

コード1〜2(初期のむし歯)
歯の表面を専用の器具で5秒間しっかり乾燥させることで初めて見える、わずかな白濁などの変化です。
この段階なら「穴(窩洞)」にはなっていないため、原則として削る必要はありません。フッ化物の塗布やケアの改善で、進行を止めることができます。
コード1〜2(初期のむし歯)

コード3〜4(中等度)
表面が少し崩れたり、内部の象牙質が透けて暗く見えたりする状態です。削るか削らないかの見極めが最も重要なステージです。
コード3〜4(中等度)

コード5〜6(重度)
明らかな穴があいている状態です。修復治療が必要ですが、当院では可能な限り歯と神経を残す「最小侵襲」の治療を行います。
コード5〜6(重度)

「歯を削るか、削らないか」。その重大な決断を感覚に頼るのではなく、お口の中を綺麗に清掃し、明るい照明と乾燥のもとで微細な変化を拾い上げることで、あなたの歯を不要な切削から守ります。

そのむし歯は「進行中」か「止まっている」か(活動性評価)

「昔からある黒いむし歯、ずっとそのままだけれど大丈夫?」と不安に思ったことはありませんか?実は、世界歯科連盟(FDI)の基準では、むし歯を削るかどうか決める際、単に「深さ」や「大きさ」だけで判断してはいけないとされています。

同じように見えるむし歯でも、現在進行形で悪化して歯を溶かしている「活動性」のものと、すでに進行がストップして硬くなっている「不活動性」のものがあるからです。

当院では、歯の表面の光沢や硬さ、汚れ(バイオフィルム)の付着具合などを丁寧に確認し、活動性を評価します。

もし、むし歯が不活動性(進行が止まっている状態)であり、患者さんご自身でしっかり汚れを落とせる場所であれば、見た目が黒っぽくてもあえて組織を除去(切削)せず、そのまま経過観察とすることが国際的なガイドラインでも推奨されています。

「黒いから削る」のではなく「動いているから治療する、止まっているから守り抜く」。これが、Ihana歯科北浜が大切にしている「削らないための見極め」です。

あなただけの「むし歯になりやすさ」を評価(CRASP)

むし歯は、様々な原因が複雑に絡み合って発生します。

国際的な歯科の標準(CRA:う蝕リスク評価)では、同じ初期のむし歯を持つ患者さんでも、その方の「むし歯リスク」が高ければ積極的に介入し、リスクが低ければ様子を見るといったように、患者さんごとのリスクに応じた治療計画を立てることが求められます。

Ihana歯科北浜では、この国際標準のリスク評価を実践するため、「CRASP(クラスプ)」という予防型歯科プログラム(リスク評価システム)を導入しています。

CRASPでは、以下のような複数の視点からあなたのリスクを評価します。

  1. 疾患の指標 過去にどれくらいむし歯になったか、現在新しいむし歯があるか。
  2. リスク要因 お砂糖(遊離糖)をとる頻度、お口の乾燥具合、細菌(バイオフィルム)の状況など。
  3. 防御因子 フッ化物を適切に使えているか、唾液の力は十分かなど。

「なぜ私は毎日歯磨きをしているのに、むし歯になってしまうの?」という疑問に対する答えが、このCRASPによる検査で明らかになります。

リスクの正体が分かれば、「3ヶ月に1回の特別なクリーニング」「ご自宅でのフッ化物ケアの強化」「食生活のワンポイント改善」など、無駄のない効果的な予防策を組み立てることができます。

「痛くなったら通う」のではなく、CRASPを通してご自身のリスクを知り、プロと二人三脚でコントロールしていく。それこそが、歯を削るサイクルから抜け出すための最短ルートです。

「削る」ときも、歯の寿命を
削らない「最小侵襲」の約束

「削る」ときも、歯の寿命を削らない「最小侵襲」の約束

どうしても削る必要がある場合でも、当院は「最小限の介入(Minimal Intervention)」を徹底します。

  1. 「一気に全部」ではなく「必要な分だけ」削る(選択的除去) 深いむし歯の場合、悪くなった部分をすべて取りきろうとすると、歯の神経(歯髄)まで傷つけてしまうリスクが高まります。
    当院では、神経を守ることを最優先とし、神経に近い部分の感染源をあえて少し残し、特殊な材料でしっかりと「封鎖」して無害化させる、国際的にも推奨されているアプローチを取り入れています。
  2. 詰め物の「継ぎ目」からの再発(二次カリエス)を徹底防御 一度治療した歯が再びむし歯になる(二次カリエス)のを防ぐため、当院では修復時の接着技術に強くこだわっています。歯と詰め物の間に細菌が入り込む隙間を与えない、精密な治療を行います。

痛みに怯える時間を、「安心」の時間に変える工夫

「削られる時の痛みが怖い」というお気持ち、よくわかります。

当院では治療そのもののストレスを極限まで減らすため、事前の表面麻酔の使用や、麻酔液の注入方法・スピードの調整など、痛みを抑える技術的工夫を徹底しています。リラックスして治療を受けていただける環境づくりを大切にしています。

「任せた」の一言を、
納得の結果で返すために

「任せた」の一言を、納得の結果で返すために

Ihana歯科北浜が目指すのは、患者さんが心から納得し、「ここなら任せられる」と思っていただける治療です。

そのためには、まずお口の現状やリスクを正確にお伝えすることがスタートだと考えています。

精密な検査データや画像をご一緒に見ながら、「なぜ今は削らなくていいのか」「なぜこの治療が必要なのか」を包み隠さず丁寧にご説明いたします。どんな小さな不安も、遠慮なく私たちにご相談ください。

よくある質問

むし歯は放っておいても自然に治ることはありますか?
穴があいてしまったむし歯が自然に治ることはありません。
しかし、穴があく前の「初期のむし歯(エナメル質の白濁など)」であれば、適切なブラッシングやお砂糖のコントロール、歯科医院でのフッ化物塗布などにより、進行を止めたり、再石灰化(修復)させたりすることが可能です。
むし歯がなくても定期的に通う必要はありますか?
必要な方も多くいらっしゃいます。必要ない方もいらっしゃいます。当院ではむし歯のリスクが高い方は管理(予防)することを推奨しております。むし歯に限らず、歯周病や、その他のお口の機能を管理(予防)も保険診療に一部組み込まれており、当院でもその仕組みを利用して頂くことが可能です。もちろん、リスクの低い方には過剰な通院をお願い致しませんので、ご安心下さい。
一度治療した歯がまたむし歯になることはありますか?
はい、あります(二次カリエス)。
歯と詰め物・被せ物のわずかな段差や隙間に汚れが溜まることで発生します。これを防ぐためには、精度の高い治療はもちろん、日々のケアと定期的なメンテナンスが欠かせません。
神経を抜かなければならないのはどのような状態の時ですか?
何もしなくてもズキズキと激しい痛みがある場合や、細菌が神経にまで達して炎症を起こしている場合は、神経を取る処置(根管治療)が必要になることがあります。
しかし、当院では深いむし歯であっても、まずは「神経を残すための処置(選択的除去と確実な封鎖)」を優先して検討します。
このページの参考文献・エビデンス(全16件)
私たちは、あなたの歯の「削る・削らない」の境界線に妥協しません
FDI 2019: Carious lesions and first restorative treatment fdiworlddental.org
むし歯の原因・メカニズム
WHO Oral health fact sheet who.int
FDI Classification of caries lesions and management systems fdiworlddental.org
WHO Sugars and dental caries fact sheet who.int
FDI White Paper (Caries continuum definition) fdiworlddental.org(PDF)
むし歯は「穴」ではなく「グラデーション」
ICDAS/ICCMS staging criteria (Pitts & Ekstrand 2013) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
FDI 2016 White Paper fdiworlddental.org(PDF)
「削らない」を科学する:Ihana歯科の3つの判断基準
FDI Caries Matrix (Fisher & Glick 2012) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
ADA Caries Risk Assessment ada.org
ICDAS/ICCMS staging criteria (Pitts & Ekstrand 2013) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
FDI 2019: Carious lesions and first restorative treatment fdiworlddental.org
FDI Classification of caries lesions and management systems fdiworlddental.org
ICCMS 4D Caries Management Cycle iccms-web.com(PDF)
「削る」ときも、歯の寿命を削らない「最小侵襲」の約束
FDI 2018: Deep dentine caries and restorative care fdiworlddental.org
FDI 2016: MID for managing dental caries fdiworlddental.org
よくある質問
ADA Nonrestorative Treatment Guidelines jada.ada.org