骨粗鬆症でインプラントはできる? 薬を飲んでいる場合は?

歯科コラム

こんにちは。Ihana歯科北浜院長の岩崎です。

この記事で分かること

  • 同じ質問でも4つのケースで答えが変わります。すでに入っている方の場合(入れたあとに診断された/入れたあとから薬を飲み始めた)は、説明を見かけることが少ないケースです。
  • 日本の6学会の文書は、骨粗鬆症の治療で使う量なら「行ってはならないとする根拠はない」、がんなどで使う量なら「行うべきではない」としています。量で結論が反対です。
  • 手術前に薬を止めることについては、日本の学会も国際的な作業部会も「原則として止めない」側です。決めるのは処方している医師です。
  • 入れたあとに薬を始めた方では、インプラント周囲炎の起こりやすさが高いという報告があります。相談にはお薬手帳をお持ちください。

目次

整形外科や内科で骨粗鬆症と言われた。あるいは、骨の薬をもう何年も続けている。 そのうえで歯を失うと、「インプラントはもう無理だろう」と考える方が多くいらっしゃいます。

調べると、同じ問いに対して答えがそろっていません。「できます」と書いた医院もあれば、 「原則的に禁忌」と書いた国の文書もあります。どちらも実在します。答えが分かれる理由は、4つの違うパターンが1つの問いにまとめられているからです。 この記事では、その4つを分けたうえで、それぞれに学会の文書と研究データで答えます。

01. まずは4つのパターンに分けます

お聞きしたいのは2つだけです。インプラントは、これから入れるのか、もう入っているのか。そして骨の薬を飲んでいるのか、いないのか。この2つで4つに分かれます。

骨粗鬆症とインプラントの4つの場面。①診断されてからこれから入れる、②入れたあとに診断された、③薬を飲んでいてこれから入れる、④入れたあとから薬を飲み始めた。
場面の分け方は、この記事の構成です。ご自身がどこに当たるかを決めてから、 その章までお進みください。

②と④は、すでにインプラントが入っている方の場面です。「骨粗鬆症とインプラント」の説明は「これから入れる方」に向けて書かれていることが多く、 ②と④に当たる方は、自分の話として読める文章に行き当たりません。 そこでこの記事では、④を独立した章にしています。

02. 骨粗鬆症と言われた。これから入れられる?

場面① 骨がもろいと、着かない?

いちばん心配されるのが、骨がスカスカなら支えられないのではないか、という点です。 骨粗鬆症の人とそうでない人を比べた研究のまとめが2本あります。

骨粗鬆症の有無でインプラントの生存を比べた2本のメタ分析。3つの推定値とも95%信頼区間が1をまたいでおり、統計的な差は出ていない。
出典:Kim 2025(J Clin Med・系統的レビューとメタ分析・14研究、うち7研究を統合)/ de Medeiros 2018(Int J Oral Maxillofac Surg・系統的レビューとメタ分析・15研究・8,859人・29,798本)。差が出なかったことは、同じであることの証明ではありません。当院の成績ではなく、公表された研究の要約です。

〔エビデンス:中〕 2025年のまとめは、2014〜2024年に発表された比較研究14件を集め、 うち7件のデータを統合しています。インプラントが残っていた割合の比は 1.00(95%信頼区間 0.97–1.02)、失敗した割合の比は 0.96(0.59–1.56)で、どちらも統計的な差は出ませんでした(Kim 2025)。

〔エビデンス:中〕 もう1本は2018年のまとめで、15研究・8,859人・29,798本と規模が大きいものです。 こちらも生存に差は出ていません(患者単位 0.98/インプラント単位 1.39・いずれも統計的な差なし)(de Medeiros 2018)。

※差が出なかったことは、同じであることの証明ではありません。どちらも一人ひとりをくじ引きで振り分けた試験ではなく、すでにある研究を集めたものです。 2025年のまとめの著者自身が、「証拠は限られており、研究のやり方にもばらつきがある。前向きの標準化された試験が必要だ」と書いています。

1か所だけ、2本の結論が反対になっている項目があります。インプラントのまわりの骨が年々どれだけ減るかです。 2018年のまとめは骨粗鬆症の群で 0.18mm 多いとしており(95%信頼区間 0.05–0.30、統計的な差あり)、 2025年のまとめは差なしとしています。

⚠ どちらかが間違っている、という話ではありません

含まれている研究が違います。2018年のまとめは2016年までの15研究、2025年のまとめは2014〜2024年の7研究です。 そして2025年のまとめは、この項目だけ研究どうしのばらつきが非常に大きい(I²=86%)ため、 著者が「慎重に解釈するように」と注記しています。0.18mm は、1年で目に見える差ではありません。気にする値ではなく、入れたあとに定期的に測る理由として受け取ってください。

ここまでが場面①の答えです。ただし、2本のまとめはどちらも「骨粗鬆症だから大丈夫」とは書いていません。2025年のまとめは 「抗吸収薬の役割を明らかにする必要がある」という一文で終わっています。 つまり問いは骨そのものから、薬のほうへ移ります。それが場面③です。

03. 入れたあとに骨粗鬆症と言われた。抜けやすくなる?

場面② もう入っているのに、診断された

この場面を直接調べた研究は、見つかりませんでした。2026年9月30日に医学文献のデータベースで探しましたが、 「すでにインプラントが入っている人が、そのあと骨粗鬆症になってどうなったか」を追った研究は返ってきませんでした。

場面①で見た2本のまとめも、この問いには答えていません。 あれは「骨粗鬆症の人」と「そうでない人」を比べたもので、診断が入れる前だったか後だったかは分けていないためです。

そのうえで申し上げられることが1つあります。骨粗鬆症と診断されると、多くの場合そのあと薬が始まります。そこから先は研究のある場面④になり、見ておくべきことがはっきりします。 ですので、この場面で歯科にお伝えいただきたいのは診断そのものよりも、薬が始まるのか、始まるならいつからかです。

04. 骨の薬を飲んでいる。手術はできる?

場面③ 量によって、学会の結論が反対になります

ここが、この記事でいちばん大事な分かれ目です。同じ薬でも、量によって学会の結論が反対になります。

骨の吸収をおさえる薬は、骨粗鬆症の治療で使う量(低用量)と、がんが骨に転移したときなどに使う量(高用量)で、桁が違います。 骨粗鬆症でお薬を飲んでいる方は、ほぼ低用量です。

日本の6つの学会でつくる委員会が2023年7月にまとめた文書(顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023)に、 次の2つが並んで書かれています。

低用量:行ってはならないとする根拠はない

逐語では「現時点では低用量 ARA 投与中の患者にインプラント埋入手術を行ってはならないとする根拠はない」。 ARA とは、骨の吸収をおさえる薬のことです。同じ文書の2016年版では、この手術は「どちらかといえば否定的」な扱いでした。7年のあいだに書き方が変わっています。

顎骨壊死検討委員会(日本口腔外科学会・日本骨粗鬆症学会ほか6学会)『薬剤関連顎骨壊死の病態と管理:顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023』2023年7月・16頁。学会の合意声明であり、臨床試験の結果ではありません。

ただし、同じ段落にすぐ条件が続きます。逐語で「低用量に加え、糖尿病や自己免疫疾患、人工透析中の患者など、リスク因子を有している場合は、 決して無理な治療計画を立てるべきでなく、各々の症例についてインプラント以外の代替療法を検討すべきである」。薬だけを見て判断する話ではない、というのがこの文書の立場です。

一方、高用量については同じ頁で「他の代替治療が存在することから高用量 ARA 投与中の患者には行うべきではない」と書かれています。低用量と高用量で、結論が反対です。「骨粗鬆症だからインプラントは禁忌」と説明されることがあるのは、 この2つが分けられずに伝わっている場合があります。

研究のほうも見ておきます。〔エビデンス:中〕14研究をまとめた2025年の解析では、飲み薬・注射を問わず、この薬がインプラントの失敗を有意に増やすことはありませんでした(オッズ比 1.40・95%信頼区間 0.83–2.34)。追跡が3年以上の群では 2.82 とやや高く出ていますが、統計的な差ではありません(Jung 2025)。

〔エビデンス:弱〕 ところが21研究をまとめた別の2025年の解析では、インプラント1本ごとに数えると失敗と関連がありました(リスク比 1.74・1.10–2.75)。 ただし患者ひとりを単位に数えると関連は消えます(1.01・0.35–2.91)(Lin 2025)。

⚠ 2本の結論が、数え方で分かれています

患者を単位に数えると、2本とも「関連なし」で結論は同じです。分かれるのは、インプラント1本ごとに数えたときだけでした。 後者の著者は、自分たちの証拠の確からしさを「非常に低い」と評価しています。半年に1回の注射のタイプ(デノスマブ)については、2本とも「分からない」です。 研究の数が足りず、片方は計算そのものができず、もう片方の推定値は信頼区間が 0.31 から 2,165 まで広がっていました。

05. 手術の前に、薬は止めるのですか

一次の文書は、どちらも「原則として止めない」側です

「手術の◯か月前から止めるのが一般的」「一定期間止めることもある」という説明を、 あちこちで見かけます。学会の文書では、そうはなっていません。

原則として、抜歯のときに休薬しないことを提案する

理由も書かれています。抜歯のときに止めることで顎の骨の合併症が減ることを示した論文は、いずれも見つからなかった。 反対に、短期間止めることの害(骨折が増える、など)を調べた論文も見当たらず、害も分かっていない。 そのうえで委員会は、危険性の高い症例でごく短期間止めることを完全に否定できるほどの証拠もないと付け加えています。

顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023・15頁。委員会が系統的レビューを行ったうえでの提案です。臨床試験の結果ではありません。

〔エビデンス:弱(合意声明)〕国際的な専門家の作業部会が2025年に出した合意声明も、同じ側です。「骨粗鬆症で骨の吸収をおさえる薬を使っている患者では、インプラントに進む前にこの薬を止める必要はない」と述べており、 ただし推奨の強さは「弱い推奨」、証拠の質は「非常に低い」と自ら明記しています(Ali・Khan ほか 2025)。

※この作業部会は「骨粗鬆症の患者では、この薬とインプラントの失敗との関連を示す証拠はない」とも結論しています。安全だと保証したものではありません。推奨の強さも証拠の質も、著者自身が低いと書いています。

止めるかどうかを決めるのは、処方している医師です。歯科医が単独で決めることではありませんし、 患者さんが自己判断で止めることでもありません。 とくに半年に1回の注射のタイプは、中止すると骨密度が急に下がり、背骨の骨折が増える可能性が 同じポジションペーパーに書かれています。止めることにも、こうした害が伴います。

当院が相談の場でお伝えするのは、この一次の文書に何が書いてあるかと、 処方医に何を確認するかまでです。休薬の可否そのものは、処方医と相談して決めていただきます。

06. 入れたあとから、薬を飲み始めた

場面④ ここがいちばん抜けています

インプラントを入れたのが10年前、骨粗鬆症の薬が始まったのが去年。 この順番の方は少なくありませんが、それに向けた説明に行き当たることは、ほとんどありません。

〔エビデンス:弱〕 日本の大学病院が、まさにこの順番の方を追った研究を2025年に出しています。 2012年から2024年までに手術かメンテナンスを受けた61人・192本のうち、インプラント治療のあとで薬を始めた22人・89本と、そうでない方を比べたものです(Seki 2025)。

インプラントを入れたあとに骨の吸収をおさえる薬を始めた人で、インプラント周囲炎の調整オッズ比は3.91、95%信頼区間は1.29から11.9。信頼区間の幅が広い。
出典:Seki 2025(Medicina・入れ子症例対照研究・61人192本、うち埋入後に薬を始めた群 22人89本)。 起こりやすさが上がっていたのはインプラント周囲炎で、顎の骨の合併症やインプラントの喪失ではありません。 1施設の観察研究なので、原因と結果を示したものではありません。当院の成績ではなく、公表された研究の要約です。

薬を始めた群では、歯ぐきの溝の深さと、探ったときの出血が、時間とともに大きく変化していました。 インプラント周囲炎の起こりやすさを多変量で調べると、調整オッズ比 3.91(95%信頼区間 1.29–11.9)です。

※信頼区間が 1.29 から 11.9 まで広く、「何倍」という値そのものは定まっていません。1施設・61人の観察研究で、原因と結果を示したものでもありません。上がっていたのはインプラント周囲炎の起こりやすさで、インプラントが抜けることでも、顎の骨の合併症でもありません。

それでも、この研究には見ておく価値があります。著者の結論はこうです。「長期のメンテナンスのあいだに、患者の健康状態と服薬は変わる。 とくにインプラント埋入後に薬を始めた患者では、インプラント周囲炎を見ていくことが欠かせない」。

なぜ周囲炎を見るのかというと、日本のポジションペーパーが「インプラント周囲炎などの顎骨に発症する感染性疾患は、顎の骨の合併症(薬剤関連顎骨壊死)の明確なリスク因子である」と位置づけているためです。2016年版からの大きな変更点がここで、抜歯や埋入といった手術の侵襲よりも、感染が続くことのほうを重く見る書き方に変わっています。

起きるとしたらいつなのかも、目安があります。〔エビデンス:弱〕28研究・76人・215本を集めたレビューでは、低用量の方の場合、インプラントを入れてから顎の骨の合併症が出るまでは平均23か月(0〜73か月)でした(Andersen 2025)。 手術のあと年単位で経ってから起きた例が、この集計に含まれています。 同じレビューの結論は「蓄積した投与量との関連は確認できなかった」「証拠にもとづく指針が出るまで、 高用量または長期の低用量の患者へのインプラント治療は、専門の施設に限るべきだ」でした。

⚠ この数字の読み方

このレビューは症例報告を集めたもので、もともと合併症が起きた例が集まりやすい資料です。どれくらいの人に起きるかを示す数字ではありません。使えるのは「年単位で経ってから起きうる」という時間の目安までです。 頻度については次の章で別に扱います。

07. 顎の骨の合併症は、どれくらい起きているのか

薬剤関連顎骨壊死と呼ばれる合併症です。顎の骨が露出して治りにくくなります。 この記事でここまで何度も出てきましたが、頻度を書かないままにすると実態から離れるので、 数字を2つ挙げます。

22.9 / 10万人年

日本の保険請求データで数えた、骨の薬を使っている骨粗鬆症の方の発症率です。 1年あたり10万人に22.9人にあたります。

顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023・13頁が引いている、日本のレセプトデータにもとづく調査。骨の吸収をおさえる薬を投与された骨粗鬆症患者での発症率です。インプラントの有無で分けた数字ではありません。

〔エビデンス:弱(合意声明)〕もう1つは国際的な作業部会の2025年の合意声明で、飲み薬を長く続けている場合、1,000人あたり3例ぶん増える可能性がある(調整ハザード比 4.09・95%信頼区間 2.75–6.09)としています。 この点については確実性は中等度と評価されています。

※どちらもインプラントを入れた人だけを数えた値ではありません。当院の成績でもありません。低いか高いかの評価は付けずに、そのまま置きます。 ただしゼロにはなりません。

起きたときのことも書いておきます。同じポジションペーパーは、2016年版では この病気の治療目標を「治癒」ではなく症状の緩和と進行の抑制に置いていましたが、 2023年版では「近年、この病気の多くは治癒可能な疾患である」と書き換えています。治ると言い切れる話ではありませんが、7年前と同じ前提で怖がる必要もありません。

08. 「禁忌です」と言われたのは、どこから来た話ですか

2013年の文書と、2023年の文書

国が公開している文書に、そう読める記述があります。日本歯科医学会がまとめた『歯科インプラント治療指針』(2013年3月)です。 骨粗鬆症について、逐語でこう書かれています。

「骨結合に対するリスク:骨強度(骨密度+骨質)の低下によって初期固定失敗のリスクがあり、 さらに正常なリモデリングが行えないことによる骨結合の維持に対するリスクがある」(16頁)。 同じ頁で飲み薬については「重大なリスクファクターである。原則的に禁忌としている施設もある」とあり、 17頁の表では骨粗鬆症に「治療の成功を妨げるリスクがある」の印が付いています。

⚠ 発行は2013年3月です

13年前の文書です。ここまで見てきた2023年のポジションペーパーは、低用量について 「行ってはならないとする根拠はない」と書いており、同じ話の書き方が10年で変わっています。 どちらも実在する公的・学術的な文書です。 「禁忌と言われた」と「禁忌ではないと言われた」が両方起きるのは、どちらの文書を見ているかが違う場合があります。 この記事は、新しいほうが正しいと言うためではなく、2つが存在することをお伝えするために書いています。

なお2013年の文書も、飲み薬について全面的に不可としているわけではありません。 続けて「危険性についての十分なインフォームドコンセント、患者の同意、処方医師との連携を前提として、 その上で慎重な手術の実施、厳密なメインテナンスなどを条件に適応されることもある」と書かれています。 条件つきの是、という形です。

09. 相談のときに、確かめること

ここまでの4つの場面に共通して、判断に要るものは決まっています。

  1. お薬手帳をお持ちください。薬の名前と、いつから飲んでいるかが要ります。 飲み薬は年単位で続くほど考えることが増えます。
  2. 注射をしている方は、種類と最後に打った日をご確認ください。ポジションペーパーは、飲み薬はお薬手帳で共有しやすいが、注射は打った施設で手帳に追記する努力が要ると書いています。手帳に載っていないことがあります。
  3. 処方している医師と連携します。口頭の伝言ではなく文書でのやりとりが望ましいことも、同じ文書に書かれています。
  4. ほかの持病と習慣もお聞きします。糖尿病・自己免疫疾患・人工透析・喫煙は、 ポジションペーパーがリスク因子として並べているものです。薬だけで決まる話ではありません。
  5. 入れたあとの通院の計画を、先に決めます。薬を使っている方では、 インプラント周囲炎を起こさないことが、そのまま顎の骨の合併症を避けることになります。

そのうえで、当院が埋入をお勧めしない判断をすることもあります。 ポジションペーパーの言い方を借りれば「無理な治療計画を立てない」ということで、どこに線を引くかは、お口の状態と全身の状態、薬の種類と量を見てから、症例ごとに判断します。入れ歯やブリッジで噛める状態を取り戻す方法も一緒に検討します。

すでに入っている方が薬を始めることになった場合は、薬が始まる前に一度お越しください。ポジションペーパーは「侵襲的歯科治療は、可能な限り薬の投与開始前に終えておくことが望ましい」としています。 インプラントに限らず、抜歯が要る歯があるなら、始まる前のほうが選択肢が広くなります。

骨の量が足りないと言われた場合の話は骨が足りないと、インプラントは無理?に、 ご高齢のご家族の場合に確かめることは70代の親にインプラント、10年先も通える?にまとめています。 入れたあとに何をするのかはインプラント、入れたら終わり?をご覧ください。

まとめ

この記事のまとめ

  • 同じ問いでも4つの場面で答えが変わります。すでに入っている方の場面(②と④)は、説明を見かけることが少ない場所です。
  • 場面① 骨粗鬆症の有無でインプラントの生存を比べた研究のまとめ2本は、どちらも統計的な差なし(Kim 2025・de Medeiros 2018)。差が出ないことは、同じであることの証明ではありません。
  • 場面② 直接調べた研究は見つかりませんでした。 確かめるのは診断そのものより、薬が始まるかどうかです。
  • 場面③ 日本の6学会の文書は、骨粗鬆症の治療で使う量(低用量)なら 「行ってはならないとする根拠はない」、がんなどで使う量(高用量)なら「行うべきではない」としています (ポジションペーパー2023・16頁)。量で結論が反対です。
  • 休薬 日本の学会も国際的な作業部会も「原則として止めない」側です。 止めることで合併症が減ると示した論文は見つかっていません(同15頁/Ali・Khan ほか 2025)。 決めるのは処方している医師です。
  • 場面④ 入れたあとに薬を始めた方では、インプラント周囲炎の起こりやすさが高いという報告があります (調整オッズ比 3.91・95%信頼区間 1.29–11.9・Seki 2025)。 合併症が出るまでは平均23か月という集計もあります(Andersen 2025)。
  • 頻度 日本の保険データで10万人年あたり22.9人(ポジションペーパー2023・13頁)。ゼロにはなりません。相談にはお薬手帳をお持ちください。注射は手帳に載っていないことがあります。

インプラント治療は自由診療(保険適用外)です。費用・標準的な回数と期間・リスクと副作用はインプラントのご案内に記載しています。 この記事に出てくる数値は、いずれも公表された研究や学会の文書の要約であり、当院の成績ではありません。 ご自身の場合に何が当てはまるかは、診察とお薬の内容を確認したうえでお伝えします。

自由診療に関する注記

※インプラント治療は自由診療(保険適用外)です。費用・リスク・副作用はインプラントのご案内に記載しています。

※掲載する研究知見は一般的なものであり、個々の患者さんの結果を保証するものではありません。実際の診断・治療方針は、診察のうえで判断します。

相談とCT診断は無料です(約30分)。当日のご契約は求めません。「自分の場合はどうなのか」を、CT画像を見ながら一緒に確かめましょう。 ご相談は LINE または Web 予約からお申し込みください。

執筆:岩崎亮也(歯科医師・Ihana歯科北浜 院長)/初出 2026-09-30・更新 2026-10-09(読む相談室から移植。図は PNG に、根拠の強さの印は文中の〔 〕に写しました)

この記事の参考文献(全10件)
本文で引いた研究・資料
顎骨壊死検討委員会(日本口腔外科学会・日本骨粗鬆症学会・日本病院薬剤師会・日本歯科放射線学会・日本臨床口腔病理学会・日本骨代謝学会). 薬剤関連顎骨壊死の病態と管理:顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023. 2023年7月・全37頁.(6学会合同の合意声明。本文引用は10・13・15・16・17・26頁)https://www.jsoms.or.jp/medical/pdf/work/guideline_202307.pdf www.jsoms.or.jp
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